Philosophy&Thoughts: ヴィトゲンシュタイン哲学入門2_哲学の有用性

ヴィトゲンシュタイン哲学入門1 ヴィトゲンシュタイン哲学入門2 ヴィトゲンシュタイン哲学入門3   I.哲学は役立つか?   論理実証主義から分析哲学への流れは、哲学問題を解決するための論理や言葉の分析の歴史です。 下記は、哲学的問題が生じるのは、構文や文法の誤解からであると論じたカルナップの古典的論文です。   Rudolf Carnap, The Elimination of Metaphysics Through Logical Analysis of Language (1932)   言葉の分析によりすべての哲学問題を解決できるとヴィトゲンシュ…

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Philosophy&Thoughts: ヴィトゲンシュタイン哲学入門3_哲学問題の発生

ヴィトゲンシュタイン哲学入門1 ヴィトゲンシュタイン哲学入門2 ヴィトゲンシュタイン哲学入門3   I.日常言語の誤用   後期のヴィトゲンシュタインは、語の誤用によって哲学問題が生じと考えました。 ここでは、原因(cause)と根拠(ground)の混同を取り上げます。   1.「私は風邪をひいたから授業を欠席した」 どちらかというと原因 2.「私は弟の結婚式だから授業を欠席した」 どちらかというと客観的な根拠 3.「私はその先生が嫌いだから授業を欠席した」 どちらかというと主観的な根拠   1の場合、物理的原因だとすると、風邪の原因、例えば雨の中をで…

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Philosophy&Thoughts: ヴィトゲンシュタインを読む1(リンク集)

大学院の頃研究していたWittgensteinの後期の著作『哲学探求』を20年ぶりに読みます。 気楽に読もうと思いますが、リンク集をつくったほうが安心できるので簡単なものを作成しました。 Wittgensteinのおかげで哲学という病が軽くなって気持ちが楽になりました。実際、Wittgensteinは後期には哲学を言葉の誤解に起因する病でああるとし、哲学の仕事は何かを論ずることではなく、哲学の病から脱する道を示すことだけだ主張していました。   テキスト   http://pdf.to/bookinfo/philosophical-investigations-philos…

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Philosophy&Thoughts: フレーゲ、ラッセル、ヴィトゲンシュタインの「意味」とは? ver. 2

I.「意味」について考える意味   「意味」という語は様々に用いられます。その全てを説明するのは至難の技であることはだれでもわかります。 そこで、哲学では単純で文の語や文の意味をまず明らかにしようとします。特に20世紀後半の言語論的転回以降は言語の分析により哲学的問題を解決しようとする傾向が強くなりました。 文の「意味」だけを考えることに異論を持つ人も多いでしょう。たとえば、「人生の意味」というときの「意味」は文について述べているようには思えません。そのほか、文と関わらない場面で「意味」が用いられる場面を数え上げればきりがないでしょう。 しかし、そのような事情があるからといって、文の…

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Philosophy&Thoughts: Fregeの意味論を図に描く

ドイツの哲学者Gottlob Frege(1848-1925)は記号論理学の基礎を築いた人物で、ヴィトゲンシュタインに多大な影響を与えました。 最近、何度か意味について友人と話す機会がありましたが、哲学についてここ20年ほどあまり考えてこなかったので、自分自身の主張をはっきりに述べるためにも、フレーゲの意味論をまとめておきたいと思いました。 大学院で“Sinn und Bedeutung”について議論したことを思い出してまとめただけで、原典にあたっていないいい加減なものですが、理解の助けにはなると思います。 ちなみに、下の図はSketchBookで描きました。きれいに描…

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Philosophy&Thoughts: 梅原猛訳『歎異抄』

経済学部で学生の読書を推進する「読書マラソン」というMOODLEを利用した読書推進コースがありました。そこに掲載した私の本の推薦文ををここに転載します。   梅原猛訳『歎異抄』(講談社学術文庫) 浄土真宗(じょうどしんしゅう)は、悪人正機説や他力本願などの教えで知られているが、『歎異抄』は、その開祖の親鸞(しんらん)の説を弟子の唯円がまとめたものである。 悪 人正機説や他力本願を、悪い者ほど救われる、自分でせずにまかせてしまおうと読むと、かなりあやしい主張になるが、自分の中にある根源的な悪と向き合うこ と、自分の絶対的な無力に気づくことと言い直すと、ちょっと読んでみようという人も出て…

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Philosophy&Thoughts: ヴィトゲンシュタイン『論理哲学論考』

経済学部で学生の読書を推進する「読書マラソン」というMOODLEを利用した読書推進コースがありました。そこに掲載した私の本の推薦文ををここに転載します。   ヴィトゲンシュタイン『論理哲学論考』(文庫)   20世紀後半の哲学界をリードしたウィトゲンシュタイン。私は、哲学研究から離れて、もう10年以上になるが、彼の思想は、現在の私のジェンダー論や障害学の研究に決定的な影響を与えている。 ウィトゲンシュタインの前期の主著がこの『論理哲学論考』。論理や言語のあり方を分析することで、真理、論理、善などの哲学的問題を最終的に解決しようとした。30分程度でよめる量なのだが、極めて難解…

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Philosophy&Thoughts: ニーチェ『ツァラトゥストラ』

経済学部で学生の読書を推進する「読書マラソン」というMOODLEを利用した読書推進コースがありました。そこに掲載した私の本の推薦文ををここに転載します。   ニーチェ『ツァラトゥストラ』   「人間は、動物と超人とのあいだに張りわたされた一本の綱である。――深淵の上にかかる綱である。渡ってかなたに進むのも危うく、途上にあるのも危うく、うしろを振り返るのも危うく、おののいて立ちすくむのも危うい。」 という調子で書かれた哲学的物語。 高校のときに、かっこをつけて『善悪の彼岸』を読んでいたことを思い出すが、きっとさっぱりわからなかっただろう。 『ツァラトゥストラ』は、『善悪の彼岸…

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Philosophy&Thoughts: 『論理哲学論考』の6.4以降を読んだメモ

何十年ぶりかにWittgensteinの『論理哲学論考』の6、7を読み直しました。『論理学哲学論考』は大変短いものですが、1、1.1、1.11、、、などと細かく番号がつけられており、7まであります。ちなみに、7は、ヴィトゲンシュタインに関心のある人にはよく知られている「人は語り得ないものについては沈黙せねばならない」の1文だけです。 『論理哲学論考』は第一次世界大戦中に執筆され1921年に出版されました。Wittgensteinが生前に出版した唯一の哲学書です。哲学書でないものでは小学生向けの辞書があり、彼が生前に出版したのはこの2冊だけです。 テキストは次にあります。ドイツ語、英語訳が併記さ…

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Philosophy&Thoughts: プログラムや論理学の基本用語の説明 ver. 1

プログラムや論理(学)を学ぶ時に必要となる用語について、現在の私の理解をメモしておきます。間違っている点もあるかと思いますが、随時修正、更新します。   1.関数   プログラムでは、「関数は多対一の関係をあわわす」ものだという理解で十分だと思います。そうすると、例えば、+も、(a,b)に対してaとbを加えた一つの数値を返すので、関数といえます。同じように、引き算も掛け算も割り算も関数と考えられます。 ですから、関数は日々私たちが使っている非常に身近なものです。   2.内包と外延   内包は、論理学ではsenseとかconnotationとかinten…

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