Category: Philosophy&Thoughts
Philosophy&Thouthts: 歎異抄5章の解釈
I.何が問題 たまたま、吉本隆明「永遠と現在−親鸞の語録から」(『最後の親鸞』所収)を読んでいて、引用されている『歎異抄』5章の解釈が分からなかったので考えました。 ちなみに、仕事をやめたときほとんどの本を捨てたのですが、偶然残っている本をなにとはなしに手にとりました。 インターネットで少し調べただけですが、この箇所はわかりにくい?ので、いろいろに解釈されています。 『歎異抄』の原文は次です。 親鸞は父母の孝養のためとて念仏、一返にても申したることいまだ候わず。 そのゆえは、一切の有情は皆もって世々生々の父母兄弟なり。 いずれもいずれも、この順次生に仏に成りて助け候べきなり。 わ…
Philosopy&Thoughts: 論理的に考える1 ver. 1
I.論理的に考えるとは? 以前に「論理的に考える」ことについて書きました。今読み返すと、間違っていた点、不十分な点もあるので、現在の考えをまとめます。 自分ではヴィトゲンシュタイン的に考えたつもりですが、哲学書を読み返して書いているわけではないので、かなりアバウトな議論になります。 私にとって「論理的」というと、留学生の日本語の授業です。数年間留学生に日本語能力試験の受験対策の日本語を教えました。 課題文の理解で、まず、重要なのが論理語を見つけ出すということです。 日本文をみると、同じ働きをする単語が並んでいるように見えますが、論理語は他の語と異なった働きをしています。これを理…
Philosophy&Thoughts: ヴィトゲンシュタインを読む2_Philosophische Untersuchungen 270
Philosophy&Thoughts: 『シーシュポスの神話』
Philosophy&Thoughts: 矛盾を認めるとなぜ困る?
Philosophy&Thoughts: 現代論理学における矛盾について
Philosophy&Thoughts: フレーゲ、ラッセル、ヴィトゲンシュタインの「意味」とは? ver. 2
Philosophy&Thoughts: Fregeの意味論を図に描く
Philosophy&Thoughts: 梅原猛訳『歎異抄』
経済学部で学生の読書を推進する「読書マラソン」というMOODLEを利用した読書推進コースがありました。そこに掲載した私の本の推薦文ををここに転載します。 梅原猛訳『歎異抄』(講談社学術文庫) 浄土真宗(じょうどしんしゅう)は、悪人正機説や他力本願などの教えで知られているが、『歎異抄』は、その開祖の親鸞(しんらん)の説を弟子の唯円がまとめたものである。 悪 人正機説や他力本願を、悪い者ほど救われる、自分でせずにまかせてしまおうと読むと、かなりあやしい主張になるが、自分の中にある根源的な悪と向き合うこ と、自分の絶対的な無力に気づくことと言い直すと、ちょっと読んでみようという人も出て…
Philosophy&Thouthts: 歎異抄5章の解釈
I.何が問題 たまたま、吉本隆明「永遠と現在−親鸞の語録から」(『最後の親鸞』所収)を読んでいて、引用されている『歎異抄』5章の解釈が分からなかったので考えました。 ちなみに、仕事をやめたときほとんどの本を捨てたのですが、偶然残っている本をなにとはなしに手にとりました。 インターネットで少し調べただけですが、この箇所はわかりにくい?ので、いろいろに解釈されています。 『歎異抄』の原文は次です。 親鸞は父母の孝養のためとて念仏、一返にても申したることいまだ候わず。 そのゆえは、一切の有情は皆もって世々生々の父母兄弟なり。 いずれもいずれも、この順次生に仏に成りて助け候べきなり。 わ…
Philosopy&Thoughts: 論理的に考える1 ver. 1
I.論理的に考えるとは? 以前に「論理的に考える」ことについて書きました。今読み返すと、間違っていた点、不十分な点もあるので、現在の考えをまとめます。 自分ではヴィトゲンシュタイン的に考えたつもりですが、哲学書を読み返して書いているわけではないので、かなりアバウトな議論になります。 私にとって「論理的」というと、留学生の日本語の授業です。数年間留学生に日本語能力試験の受験対策の日本語を教えました。 課題文の理解で、まず、重要なのが論理語を見つけ出すということです。 日本文をみると、同じ働きをする単語が並んでいるように見えますが、論理語は他の語と異なった働きをしています。これを理…
Philosophy&Thoughts: ヴィトゲンシュタインを読む2_Philosophische Untersuchungen 270
Philosophy&Thoughts: 『シーシュポスの神話』
Philosophy&Thoughts: 矛盾を認めるとなぜ困る?
Philosophy&Thoughts: 現代論理学における矛盾について
Philosophy&Thoughts: フレーゲ、ラッセル、ヴィトゲンシュタインの「意味」とは? ver. 2
Philosophy&Thoughts: Fregeの意味論を図に描く
Philosophy&Thoughts: 梅原猛訳『歎異抄』
経済学部で学生の読書を推進する「読書マラソン」というMOODLEを利用した読書推進コースがありました。そこに掲載した私の本の推薦文ををここに転載します。 梅原猛訳『歎異抄』(講談社学術文庫) 浄土真宗(じょうどしんしゅう)は、悪人正機説や他力本願などの教えで知られているが、『歎異抄』は、その開祖の親鸞(しんらん)の説を弟子の唯円がまとめたものである。 悪 人正機説や他力本願を、悪い者ほど救われる、自分でせずにまかせてしまおうと読むと、かなりあやしい主張になるが、自分の中にある根源的な悪と向き合うこ と、自分の絶対的な無力に気づくことと言い直すと、ちょっと読んでみようという人も出て…