哲学への招待:カミュ『シーシュポスの神話』

カミュ『シーシュポスの神話』(Le Mythe de Sisyphe)のメモです。     作者紹介   アルベール・カミュ(ウィキペディア)   著作解説   The Myth of Sisyphus (Wikipedia) 大変わかりやすい解説で、4章の概要がわかります。   原文および英訳 Le Mythe de Sisyphe The Myth Of Sisyphus And Other Essays   コメント   大学の時、第二外国語はフランス語でした。哲学専攻でしたからラテン語も学びました。大学院の…

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ヴィトゲンシュタイン哲学入門3:哲学問題の発生

ヴィトゲンシュタイン哲学入門1 ヴィトゲンシュタイン哲学入門2 ヴィトゲンシュタイン哲学入門3   I.日常言語の誤用   後期のヴィトゲンシュタインは、語の誤用によって哲学問題が生じと考えました。 ここでは、原因(cause)と根拠(ground)の混同を取り上げます。   1.「私は風邪をひいたから授業を欠席した」 どちらかというと原因 2.「私は弟の結婚式だから授業を欠席した」 どちらかというと客観的な根拠 3.「私はその先生が嫌いだから授業を欠席した」 どちらかというと主観的な根拠   1の場合、物理的原因だとすると、風邪の原因、例えば雨の中をで…

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ヴィトゲンシュタイン哲学入門2:哲学の有用性

ヴィトゲンシュタイン哲学入門1 ヴィトゲンシュタイン哲学入門2 ヴィトゲンシュタイン哲学入門3   I.哲学は役立つか?   論理実証主義から分析哲学への流れは、哲学問題を解決するための論理や言葉の分析の歴史です。 下記は、哲学的問題が生じるのは、構文や文法の誤解からであると論じたカルナップの古典的論文です。   Rudolf Carnap, The Elimination of Metaphysics Through Logical Analysis of Language (1932)   言葉の分析によりすべての哲学問題を解決できるとヴィトゲンシュ…

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ヴィトゲンシュタイン哲学入門1 :哲学とは

ヴィトゲンシュタイン哲学入門1 ヴィトゲンシュタイン哲学入門2 ヴィトゲンシュタイン哲学入門3   I.哲学はつまらなくなった?   現代の哲学はトリビアルな問題に熱中しているように見えます。哲学に関心がある人でも、特に言語哲学や分析哲学の本を読むと、言葉の意味や推論の細かな議論についていけないと感じるでしょう。私もそうです。 「いったい、伝統的な哲学的問題はどうなったの?!」と叫びたくなります。 神は存在するか? 真実とは何か? 存在とは何か? 善と悪とは何か? 人生の意味とは何か? 自由意志は存在するか? 心と体はどのように関わるか? 夢と現実の違いは? 科学に解明でき…

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論理学:現代論理学における矛盾について

現代論理学の矛盾概念についてわかりやすく説明されていましたのでコメントします。   3. Contradictions (A and not-A)   I.形式論理学における矛盾   上の文書の前半部分ですが、矛盾するものは両立しないということを真理表で説明しています。   Q、Rは論理的に矛盾しないが、真理表で真の場合を排除できるので矛盾している。 次のように説明されています。   But in our case, the top line of the truth table doesn’t apply, since our two cla…

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論理学:矛盾を認めるとなぜ困る?

最近友人と哲学的議論になりました。昔を思い出しながらの議論なので、確認のため昔習ったことを思い出してメモしておきます。   I.矛盾は困る   ヘーゲルやマルクスは矛盾は発展の原動力だと考えました。 その矛盾が論理学でいう矛盾かどうかは、議論のあるところでしょう。 ふつう論理学者は矛盾を決して認めません。簡単に証明できることですが、矛盾を認めるとあらゆる命題が真になってします。     II.どうしても矛盾を認めたいなら   任意の命題が真になるとヘーゲルもマルクスも困るでしょうから、どうしても矛盾を認めたいなら、私が思いつくのは次の三つです。…

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Fregeの意味論を図に描く

ドイツの哲学者Gottlob Frege(1848-1925)は記号論理学の基礎を築いた人物で、ヴィトゲンシュタインに多大な影響を与えました。 最近、何度か意味について友人と話す機会がありましたが、哲学についてここ20年ほどあまり考えてこなかったので、自分自身の主張をはっきりに述べるためにも、フレーゲの意味論をまとめておきたいと思いました。 大学院で“Sinn und Bedeutung”について議論したことを思い出してまとめただけで、原典にあたっていないいい加減なものですが、理解の助けにはなると思います。 ちなみに、下の図はSketchBookで描きました。きれいに描…

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「意味」とは? :フレーゲ、ラッセル、ヴィトゲンシュタイン

I.「意味」について考える意味   「意味」という語は様々に用いられます。その全てを説明するのは至難の技であることはだれでもわかります。 そこで、哲学では単純で文の語や文の意味をまず明らかにしようとします。特に20世紀後半の言語論的転回以降は言語の分析により哲学的問題を解決しようとする傾向が強くなりました。 文の「意味」だけを考えることに異論を持つ人も多いでしょう。たとえば、「人生の意味」というときの「意味」は文について述べているようには思えません。そのほか、文と関わらない場面で「意味」が用いられる場面を数え上げればきりがないでしょう。 しかし、そのような事情があるからといって、文の…

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ヴィトゲンシュタインを読む2:Philosophische Untersuchungen 270

Wittgensteinの『哲学探求』を読み始めましたが、友人に紹介された論文に270節についての議論がありましたので、途中をとばして270節を読みました。 第270節は有名な箇所で、私的言語を批判する議論の中の一部です。間違っているかもしれませんが、理解した点をメモしておきます。   I.ヴィトゲンシュタインの私的言語批判   私の痛みを「E」と名付けたとして、その痛みが生じた時「E」と叫ぶことにします。 「E」の意味は私のあの個人的な痛みだと考えたくなりますが、これが間違えだとヴィトゲンシュタインは主張します。。 ヴィトゲンシュタインの考えはおかしいようと思うかもしれま…

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ヴィトゲンシュタインを読む1:リンク集

大学院の頃研究していたWittgensteinの後期の著作『哲学探求』を20年ぶりに読みます。 気楽に読もうと思いますが、リンク集をつくったほうが安心できるので簡単なものを作成しました。 Wittgensteinのおかげで哲学という病が軽くなって気持ちが楽になりました。実際、Wittgensteinは後期には哲学を言葉の誤解に起因する病でああるとし、哲学の仕事は何かを論ずることではなく、哲学の病から脱する道を示すことだけだ主張していました。   テキスト   http://pdf.to/bookinfo/philosophical-investigations-philos…

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