Last Updated on May 14, 2020 by shibatau
I.論理的に考えるとは?
以前に「論理的に考える」ことについて書きました。今読み返すと、間違っていた点、不十分な点もあるので、現在の考えをまとめます。
自分ではヴィトゲンシュタイン的に考えたつもりですが、哲学書を読み返して書いているわけではないので、かなりアバウトな議論になります。
私にとって「論理的」というと、留学生の日本語の授業です。数年間留学生に日本語能力試験の受験対策の日本語を教えました。
課題文の理解で、まず、重要なのが論理語を見つけ出すということです。
日本文をみると、同じ働きをする単語が並んでいるように見えますが、論理語は他の語と異なった働きをしています。これを理解することが課題文を論理的に理解することです。
多くの場合、私たちは語の意味をその対象と見なす場合が多いです。それは、「犬の意味は?」という質問に、犬を指して教えられてきたからです。「語の意味は指示対象だ」というのは、日本語だけではなく、一般的に受け入れられていることだと思います。
しかし、論理語、例えば、「しかし」や「すなわち」や「また」や「だから」は何を指しているでしょうか?ふつうに考えて、何かを指しているとようには思えません。
論理語は接続詞が多いですがそれだけではありません。「が」や「で」などの接続助詞も、それらが、「しかし」や「だから」で言い換えられるなら論理語と考えられます。
論理語は何かを指しているのではなく、その前後にある文や内容の論理関係を表現していいます。ですから、課題文にこれらの語を見つけ出せば、その論理的構造がわかるはずです。
ということで、日本語能力試験対策の授業では、ます課題文をながめて、論理語を見つけ出す練習をします。単に文字列を見つけ出すだけですから慣れれば簡単です。
さて、続いて、この「論理関係」について考えますが、これに関わる次の言葉についても私なりの考えを示したいと思います。
- 内包と外延
- 意味と指示
- 意味と検証可能性と反証可能性
- 感性、悟性、理性
- 原因と根拠
- 命題論理と述語論理と様相論理
- 「私には手がある」は真かと懐疑論?
II.論理的関係とは?
to be continued