Philosophy&Thoughts: ヴィトゲンシュタイン『論理哲学論考』

Last Updated on November 16, 2019 by shibatau

経済学部で学生の読書を推進する「読書マラソン」というMOODLEを利用した読書推進コースがありました。そこに掲載した私の本の推薦文ををここに転載します。

 

ヴィトゲンシュタイン『論理哲学論考』(文庫)

 

20世紀後半の哲学界をリードしたウィトゲンシュタイン。私は、哲学研究から離れて、もう10年以上になるが、彼の思想は、現在の私のジェンダー論や障害学の研究に決定的な影響を与えている。

ウィトゲンシュタインの前期の主著がこの『論理哲学論考』。論理や言語のあり方を分析することで、真理、論理、善などの哲学的問題を最終的に解決しようとした。30分程度でよめる量なのだが、極めて難解。

論理や言語を分析した結果から、彼が得た倫理的結論は、「幸せな人の世界と不幸な人の世界は全く別のものだ」、「世界がどのようにあるかは、より高いものにとっては、どうでもよいことである。神は世界の中に自らを示すことはない」だった。

前期の言語観と非常に異なった言語観をもつ後期の主著『哲学的探究』と合わせて読むことで、はじめて彼の思想の全体像を知ることができるが、彼は終始倫理的な人であったし、そのように生きた。

と ころで、ウィトゲンシュタインは、学者としては、多読家ではなかった。書棚あった本はわずかであったと伝えられる。また、公にした著作もこの『論理哲学論 考』と、これを書きあげ、哲学的問題を最終的に解決し、・・・したと思い、小学校で教えはじめたときに出版した子ども向けの小さな辞書だけだった。

本を読まず、本を書かず、しかし、膨大な時間をかけて、考え続けたこの天才の著作に触れてみる機会は、多くの人にとって学生のときしかないかもしれない。

About shibatau

I was born and grown up in Kyoto. I studied western philosophy at the University and specialized in analytic philosophy, especially Ludwig Wittgenstein at the postgraduate school. I'm interested in new technology, especially machine learning and have been learning R language for two years and began to learn Python last summer. Listening toParamore, Sia, Amazarashi and MIyuki Nakajima. Favorite movies I've recently seen: "FREEHELD". Favorite actors and actresses: Anthony Hopkins, Denzel Washington, Ellen Page, Meryl Streep, Mia Wasikowska and Robert DeNiro. Favorite books: Fyodor Mikhailovich Dostoyevsky, "The Karamazov Brothers", Shinran, "Lamentations of Divergences". Favorite phrase: Salvation by Faith. Twitter: @shibatau

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